北方領土、すなわち歯舞群島・色丹島・国後島・択捉島の北方四島は、私達の祖先が血と汗で拓いた我が国固有の領土であります。

　この日本の領土をソ連が不法に占領して36年が経ちました。この間、我が国政府と日本国民の「島を返せ！」の正当な要求に対して、ソ連政府は「領土問題は解決済み」と主張し、昭和31年の日ソ共同宣言によって確認された平和条約締結（領土問題）のための継続交渉、及び昭和48年の田中首相・ブレジネフ会談（日ソ共同声明）による未解決の問題（領土問題）の継続交渉を拒否しております。これは、私たち日本国民にとってきわめて遺憾なことであります。

　いうまでもなく北方領土の返還実現は、我が国の主権の確立、領土の保全、元島民の住居権、生活権回復の問題であると同時に、日本の平和と安全にかかわる全国民的な重要な課題であります。私達は北方領土の返還が実現し、日ソ間に於いて真の平和的、安定的関係の第一歩を踏み出さねばならないと考えます。

　今日、各地各方面より起こりつつある返還要求運動への積極的支援を背景に、大阪に於ける統一的・全府民的運動母体として「北方領土返還運動推進大阪府民会議」を結成し、本問題の正しい認識の啓発活動と世論高揚のための諸事業を行おうとするものであります。私達は、本運動が特定の団体・個人のためのものではなく、私達日本民族の尊厳と国家主権の確立、安全と平和、繁栄のための正義の運動であることを自覚し、いわゆる思想信条を越えて北方四島一括返還のために団結・連帯する団体、個人をもって組織の運営を行なうものであります。

　私達は、本府民会議の諸活動に於いて参加諸団体の条件を尊重し、それぞれがその持てる力を発揮して相互信頼の上で本活動を展開し、必ずより多くの府民の参加と大きな成果を得ることを目指して本会を結成するものであります。

昭和56年12月12日